抜歯を検討する前に根管治療で天然の歯を残すことを検討しましょう
根管治療は、一般的に歯の内部にまで問題が発生した場合に行われる治療法です。
しかし、その具体的な内容や役割、またどのような症状がある時に必要となるのか等、理解している人は少数派です。
根管治療がどういったものなのか、その重要性と意義を深く理解することで、歯の健康を維持する助けになるでしょう。
根管治療の目的
「根管」という言葉は、歯の内部にある細い管のことを指します。
この中には歯髄という組織が詰まっており、歯に必要な栄養や水分を供給しているのです。
この歯髄は神経や血管なども通っているため、損傷が生じると非常に痛みを感じることが多いのです。
虫歯などにより、この歯髄が細菌に感染すると痛みや腫れ、時には顔面全体の腫れや感染症を引き起こすこともあります。
このような状況下での歯髄の感染は自然治癒することはありません。
放置すれば歯の内部や周囲の骨組織が溶け、最悪の場合、歯を失うことにも繋がります。
そこで、根管治療の必要性が生じます。
根管治療とは、感染した歯髄を除去し、歯の内部を清掃、消毒した後で根管を充填（詰め物で満たすこと）する治療方法です。
できるだけ抜歯を避けて、歯を残すことが根管治療の目的です。
根管治療のプロセス
根管治療は複数回の診療にわたることが多く、一回の診療で完結することは少ないです。
治療中は歯の内部の感染源を完全に除去し、その後、根管内部をしっかりと充填して再感染を防ぎます。
根管治療は時間と手間がかかる治療ではありますが、感染した歯を保存し、さらなる健康問題を防ぐためには必要不可欠な治療です。
患者様が自分の歯をできるだけ長く保つための重要な手段です。
根管治療ではマイクロスコープが必須です
根管治療におけるマイクロスコープの使用は、現代歯科医学では必須といっても過言ではありません。
マイクロスコープを使うことで、歯の内部の微細な構造を詳細に確認することが可能となります。
歯の根管は非常に狭く、曲がっていたり、分岐していたりすることが多いため、裸眼だけでは確認しきれません。
また、歯髄が感染した場合、その感染源を完全に取り除くには、歯の内部を細かく確認し、根管の全域を的確に処置することが必要です。
これにはマイクロスコープが必須となります。
マイクロスコープを用いることで、根管の内部を高解像度で見ることができ、感染源の正確な位置や根管の形状を詳細に把握することが可能になります。
これにより、感染した歯髄の精密な除去、根管内の完全な洗浄と消毒、そして適切な充填が可能となります。
以上のことから、根管治療においてマイクロスコープの使用は、治療の成功率を高め、再感染を防ぐ上で非常に重要な役割を果たすことが明らかです。
マイクロスコープを使用した根管治療は、歯を長期間保存し、口腔内の健康を維持するための有力な手段といえるでしょう。
トライオートZX2【革新的な根管治療を実現】
高橋歯科医院では、根管治療の効率と安全性を飛躍的に向上させるトライオートZX2を採用しています。
トライオートZX2は、コードレスでコンパクトながら、根管長測定機能を備えており、穿通、グライドパス、根管拡大形成を1台で行うことが可能です。
精密な根管治療のための最適モード
トライオートZX2には、様々な症例に対応するための多彩なモードが搭載されています。
新たに加えられたOGP2モードは、正回転と逆回転を交互に行うことで、歯破折のリスクを大幅に低減し、湾曲した根管や狭窄した根管でも自然な形態を維持しながら治療を進められます。
根管長測定機能の活用
トライオートZX2の大きな特徴は、内蔵された根管長測定機能です。
ファイルの先端が根尖に近づくにつれて自動的に回転速度を調整し、設定した作業位置に達すると回転を停止します。
患者様に安全な治療を提供します。
シンプルで効率的な治療フロー
穿通、グライドパス、拡大形成を1つのモードで行えるシンプルな治療フローが、トライオートZX2の魅力の一つです。
さまざまな号数のファイルに対応し、治療中に回転モードを変更する必要がないため、治療の効率化を実現します。
トライオートZX2は、根管治療の精度と安全性を高めるための革新的な機器です。
当院では、この最先端の技術を用いて、患者様により安心で効率的な根治療を提供しています。
患者様の負担を軽減し、より健康な歯を保つために、私たちは常に最新の技術を追求し続けます。
ルートZX3【高周波モジュール】
当院ではルートZX3を完備しています。
トライオートZX2とZX3の主な違いは、ZX3に追加された高周波モジュールとその関連機能、操作性の向上、そして根管長測定機能の進化にあります。
ZX3はより多くの治療オプションがあり、治療の精度と効率、そして患者様の快適性を一層高めています。
従来の根管治療では解決困難だった問題をルートZX3を用いることで効率的に解消することができるようになりました。
従来、根管治療では治療器具の制約や、細菌の視認難度、複雑な根へのアプローチなど多くの課題が存在していました。
これらは治療後の痛み、根の先端部の膿の除去、再治療の成功率低下などといった問題を引き起こしていました。
しかし、ルート ZX3なら、根管内の薬剤に高周波電流を流し、約350℃から最大2600℃の高熱を発生させることで、細菌を凝固変性させて死滅させることが可能となりました。
物理的に到達できない場所や、薬剤が届きにくい場所まで広範囲に渡り細菌を簡単に死滅させます。
抜歯が必要とされるような難治例でも、ルートZX3を用いた治療により歯の保存ができる可能性が高まりました。
歯科医学は日進月歩。
根管治療は新たな次元へと進化しています。
ルートZX3は歯科医療にとって、そして根管治療を必要とする患者様にとって、大きな前進といえるでしょう。
当院では患者様の症例によって、ルートZX2とZX3を使い分けています。
根管治療は自由診療での治療をお願いしております
根管治療の成功率は、その治療手段や使用される技術や設備により大きく変わります。
保険診療と自由診療では用いられる技術や機器に違いがあり、それが根管治療成功率に影響を及ぼします保険診療における根管治療は、保険が適用される範囲の治療手段や機器を使用します。
そのため、一部の専門的な治療手段や高度な機器は使用できません。
また、治療に費やす時間も保険の範囲内に限定されるので、保険診療における根管治療の成功率は、それらの制約により下がる可能性があります。
一方、自由診療では、保険の範囲を超えて最新の技術や機器を使用することが可能です。
例えば、マイクロスコープを用いた精密な視覚化、根管長計測器や電動の根管拡大器の使用、さらには新しい治療法である高周波モジュール「Root ZX3」などを導入することができます。
これらの先進的な手段により、成功率をより高めます。
もちろん自由診療は保険診療よりも費用がかかりますが、当院では１本の歯を救い保存するために自由診療での根管治療を提案しております。
具体的な技術や機器によって異なることをご理解ください。
| 保険診療 | 自由診療 | |
|---|---|---|
| 使用できる技術や機器 | 限定的（保険適用範囲内） | 幅広い（最新技術や機器を含む） |
| 治療時間 | 一般的に限定的 | 必要な時間をしっかり確保することも可能 |
| 治療方法 | 伝統的な方法が中心 | 新技術（例:高周波モジュール）の導入可能 |
| 一般的な成功率 | 50％程度 | 90％程度（ただし、症状による） |
| 費用 | 一定（保険診療料金に基づく） | 高額になる可能性あり（使用する技術や機器による） |
入れ歯やインプラントを避けるための根管治療
根管治療は、虫歯が進行し神経に達した症状を和らげ、歯の保全を図るための重要な最後の治療方法です。
進歩した技術、特に自由診療で提供される新しい技術や機器の使用は、より高い成功率とより良い患者様の快適な治療体験を可能にします。
その一方で、自由診療は高額な費用を伴う場合があります。
したがって、最善の治療選択肢を選ぶ際には、それぞれの手法の利点と限界、そしてそれが自身の健康状態や財政状況にどのように適合するかを考えることが重要です。
根管治療は、歯の健康と全体的な口腔の健康を維持するための効果的な治療法です。
適切なケアと専門的なアドバイスを受けることが、最良の結果を得るための鍵となります。